8/24のニュースです。
米国の天然ガス価格が高騰している。指標となるニューヨーク市場ヘンリーハブ先物は23日の取引で一時100万BTU(英国熱量単位)あたり10ドルを超え、2008年以来14年ぶりの高値をつけた。
ロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界的な供給不安が背景にある。
ロシア国営のガスプロムは欧州向けパイプライン「ノルドストリーム」を8月31日から一時停止すると発表し、需給逼迫への懸念が広がった。
欧州各国は冬に向けた代替調達先の確保を急いでおり、欧州市場でも指標のオランダTTFが6月上旬の約3倍となる高値圏で推移する。
こうした流れが米国市場に波及した。米国でも天然ガスの先物相場は期近の9月物に加え、冬季11月~2023年1月物の価格が上昇傾向にある。
南部テキサス州のLNGプラントでの火災、猛暑に伴う国内需要の増加、高インフレに伴う資金調達コストの上昇がさらに追い打ちをかけている。
ウクライナでの戦闘が長期化するなか、ロシア産ガスに依存してきた欧州各国は代わりのエネルギー調達源の早期確保が急務となる。
ドイツのショルツ首相は22日、カナダでトルドー首相と会見し、カナダ産LNGの欧州向け輸出を打診した。各国の資源争奪戦は今後、さらに激しさを増す可能性がある。