今では世の中のほとんどの人が知っているビットコインですが、その歴史について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
「知らない間に誕生していて知らない間に価格が上昇していた」と感じている人がほとんどだと思います。
そこで、そのような方のためにこの記事ではビットコイン誕生時から現在までの歴史を分かりやすく年代別でまとめました。
この記事を読むことで、これまでビットコインがどのように認知を広げ価格上昇してきたのか分かるので是非、最後までご覧ください。
2008年10月:ビットコイン誕生
ビットコインは2008年10月に、中本哲史(Satoshi Nakamoto)と名乗る人物がインターネット上に投稿した論文によって提唱されました。
これは、国家や銀行を介することのない分散管理型の暗号資産について書かれたものでした。
ビットコインはここ数年で話題になっているイメージを持っている方も多いですが実はかなり前から誕生しています。
2009年1月:Genesis Blockが生成される
ビットコイン誕生から3カ月後の2009年1月には、ビットコインの理論を実現するためのソフトウェアがオープンソースで開発され、公開されました。
それが「Genesis Block」です。
「Genesis Block」は簡単に説明するとブロックチェーンの最初のブロックのことを指し、現在まで続くビットコインの最初の姿です。
この時からビットコインを所有している人たちは、現在膨大な価値を持ったビットコインを所有していると言われています。
2009年10月:New Liberty Standardで初めてBTCの価格が提示される
2009年1月に誕生したばかりのビットコインは、まだ通貨としての価値が認められていませんでした。
ビットコインに初めて値が付いたのは、2009年10月に「New Liberty Standard」というサイトによって提示された、1BTC=約0.07円という価格でした。
現在では1BTC数百万円という値段が付いているので0.07円という価格がかなり小さいことが分かると思います。
ちなみにこの価格はビットコインのマイニングにかかる電気代から算出されたとのことです。
2010年5月:フロリダのプログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入
2010年5月にフロリダ州に住むプログラマーがピザ2枚を1万BTCで購入するという出来事がありました。
この日、フロリダのプログラマーであるラズロ・ハニイェス氏が「1万BTCとピザ2枚を交換してくれる人はいないか」とインターネットの掲示板で呼びかけ、カリフォルニアの19歳の学生がそれに同意してピザの宅配業者にネットでピザ2枚を40ドル(当時の為替レートで3598円)で注文して届け、1万BTCを受け取りました。
この時のビットコインの価値は1BTC=約0.2円となっており、現在の価格で計算すると約280億円に相当する値段です。
今頃19歳の学生は億万長者でしょう。
これがビットコインを用いた初めての決済と言われています。
2010年2月:ビットコイン両替ができる最初の取引所が誕生
2010年2月に、ビットコインとドルを両替できる世界初のオンライン取引所「ザ・ビットコインマーケット」が誕生しました。
この時は初取引で1BTC=8セントの値がつきました。
そして同年5月、はじめて現実社会でビットコインを使った決済が行われています。
2010年7月:Mt.Goxサービス開始
2010年7月には世界初となるビットコイン取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」がサービスを開始し、ビットコインの価格は1BTC=約7円まで値上がりします。
このタイミングで本格的にビットコインが価値を持ち出してきたと言えるでしょう。
2011年3月~6月:ビットコインの価格が1500円まで上昇
2011年に入ると、ビットコインは世界中から注目を浴び始め、それに伴い価格も急上昇していきます。
まず、2011年3月にMt.Goxが日本のTibanne社に買収され、このニュースをきっかけに1BTC=70円台まで高騰します。
さらに翌月の4月に米TIME誌により特集が組まれたことにより知名度が高まり、1BTC=80円台まで上昇。
大手メディアにビットコインが紹介されるのは、この時が初めてでした。
その後、TIME誌の掲載をきっかけに一気に認知度がアップしたビットコインの価格は、1BTC=約1,500円まで急騰。
この頃からビットコインは投資対象として世界中から注目されるようになりました。
2011年6月19日:Mt.Goxがハッキング被害を受ける
ビットコインが世界中から注目を浴び始めたタイミングでMt.Goxがハッキングの被害を受けます。
これにより相場は反転。
ビットコインのセキュリティに対する不安が広がったことにより下落相場が続き、2011年末には300円台まで値下がりしました。
2012年:マイニング報酬の初となる半減期で価格回復
2012年になるとWordPressにビットコイン決済が可能となるプラグインが誕生したことや、マイニング報酬の初となる半減期を迎えたことなどがプラス材料となり、1BTC=1,000円台まで回復します。
半減期を迎えると、新規に発行されるビットコインの数が減少するため、半減期の前後ではビットコインの希少性が高まることによる価格の上昇が起こる場合が多いです。
2013年12月:NHKでBTC特集が組まれる
2013年になると、ビットコインの勢いはさらに加速します。
まず、2013年3月に起こったキプロス危機がきっかけとなり、ユーロなどの法定通貨に対する信用が低下し、代わりに避難通貨としてのビットコインに人気が集まりました。
この時の価格は、1BTC=約4,500円です。
そして年末にはNHKでBTC特集が組まれたことによって注目を浴び価格は一時12万円を突破します。
2014年2月:Mt.Gox閉鎖
2013年まで順調に価格を伸ばしてきたビットコインですがここで再び大きな事件が起きます。
それがMt.Goxの閉鎖です。
Mt.Goxは2011年6月19日にがハッキング被害を受けていましたが再びハッキング被害を受け、当時の価格で400万ドルに相当する85万ビットコインが盗まれるという事件が起こります。
この事件を受けて、Mt.Goxは暗号資産に関するすべての取引を中止し、2月24日に取引所を閉鎖します
2015年1月:Bitstampがハッキング被害を受ける
2014年に引き続き2015年もBitstamp(ビットスタンプ)という取引所がハッキングの被害を受けます。
相次ぐハッキング被害によって2015年のビットコインの価格は3万円前後を推移していました。
2016年7月:ビットコイン2度目の半減期を迎える
2016年には、日本でもビットコインの動きが活発になり始めました。
仮想通貨やブロックチェーンに関する実証実験を行う大手金融機関や、大手企業が現れはじめ、暗号資産に関する規制を初めて法律に明記した「改正資金決済法」が成立しました。
また、7月には、ビットコインは2回目の半減期を迎えビットコインの価格は約7万円まで値上がりします。
2017年8月:ビットコインキャッシュ(BCH)誕生
ビットコインの需要が世界的に拡大していく一方で、取引スピードの遅延や手数料の高騰化に対処する必要が出てきました。
そこで、そういった問題を解決するために実行したのがハードフォークという方法です。
ハードフォークとは簡単に説明すると仮想通貨をアップデートする方法の一つです。
このハードフォークによってビットコインキャッシュ(BCH)という新たな通貨が誕生し、ビットコインの価格は45万円付近まで上昇しました。
2017年12月:CMEがBTC先物を開始
12月には、アメリカの先物取引所である「CME(シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ)」がビットコインの先物取引を開始します。
ここで多くの機関投資家が参入したことで市場に大量の資金が流れ込み、ビットコイン価格は一時200万円を突破しました。
この時期はメディアで特集される機会も増え、仮想通貨取引所が著名人を起用してCMを出すなど、仮想通貨バブルが起きた時期でした。
連日多くの情報がメディアを賑わしたことで仮想通貨に対する認知が一気に進んだ時期だと言えます。
2018年:ビットコインの価格が暴落
2018年は、ビットコインにとって試練の一年となりました。
Facebook、Google、Twitterが仮想通貨に関する広告の掲載禁止を発表したことによりビットコインに対する信用が低下し、価格も急速に下落していきます。
その結果、年初には1BTC=約150万円だった価格は4月上旬には約70万円まで下落し、12月には30万円台まで下落していきます。
2018年のお祭り相場から一転し、相場が凍りついた「仮想通貨の冬」に突入しました。
2019年:中国政府が暗号資産取引を取り締まる新たな規制をスタート
2018年の弱気相場は2019年の3月頃まで続き、一時は1BTC=約35万円まで下落しましたが、4月になると相場が一転して上昇に転じ、価格が高騰し始めます。
上昇トレンドに乗ったビットコインは、6月には約150万円まで値上がりします。
しかし、その後、11月に仮想通貨取引所「Bitmex(ビットメックス)」で、顧客のメールアドレスが大量流出する事件が起きたり、中国政府仮想通貨取引を取り締まる新たな規制をスタートさせたことなどを受けて、1BTC=約80万円まで下落します。
2020年3月:WHOによる新型コロナウイルスについての発表
2020年3月にWHOが新型コロナウイルスについて、「パンデミックの状態にある」と発表したことにより、金融市場全体に不安が広がり、株や金など暗号資産以外の価格も急落しました。
その結果ビットコインの価格は約50万円まで下落します。
2020年5月:ビットコイン3回目の半減期
コロナショックで3月に相場が急落したものの、2020年5月にはビットコインが3回目となる半減期を迎え1BTC=約100万円まで回復します。
その後、DeFi(分散型金融)ブームの到来や8月の米マイクストラテジーによるビットコイン購入の発表などで徐々に価格は上昇。
さらに、ペイパルによる仮想通貨決済導入の発表が、より多くの個人投資家や投機家が仮想通貨市場に参入の呼び水となりビットコインの価格は急騰しました。
2021年:ビットコインが過去最高値を記録
2021年に1月にテスラ社CEOイーロン・マスク氏が自身のツイッターのプロフィールを「#bitcoin」に変更したことや、2月に同社がビットコイン購入を発表したことなどを受けビットコインの価格は急騰。
その他にも大企業や機関投資家の相次ぐビットコイン購入や仮想通貨関連事業への参入に加え、コインベースが米国の仮想通貨取引所として初めてナスダックに直接上場を果たしことを受け、価格は700万円を越え過去最高値を大幅に更新しました。
ビットコインに初めて値がついた時の価格が0.07円ですから誕生した時と比べると1億倍になります。
また、ビットコインは2017年8月の「SegWit」導入以来、約4年ぶりの大型アップグレードを行い「Taproot」の実装に成功した。
2022年:テラ(LUNA)問題により市場が急落
2021年に過去最高値となる「1BTC=約760万円」を記録したビットコインですが2022年になると一転して下落トレンドに突入します。
まず2月下旬にロシアがウクライナに侵攻を開始したことを受けて市場は下落。
ビットコインの価格は約500万円から約430万円まで下落します。
さらに5月にステーブルコインのUST(TerraUSD)が「1ドル=1UST」の価格を維持できなるという問題が起き、USTのペグ(連動)を維持するためのガバナンストークンであるLUNA(テラ)に対する信用が低下し、価格が暴落します。
LUNAの運営組織は、USTのペグを維持するための準備資産として約35億ドル相当のビットコインを保有していましたが、今回の騒動を受けて「運営がペグを維持するために、大量のビットコインを売却するのではないか?」という憶測が広がり、市場でビットコインの売りが加速。
結果的にビットコインの価格は200万円台まで下落しました。
まとめ
このように、ビットコインの価格変動を見てみると、ビットコインは過去に何度も大暴落をしていますが、その後は価格を伸ばしているケースがほとんどだということが分かると思います。
多くの方がビットコインが暴落した時にコインを売ってしまいますが、長期的に考えた場合そのまま保有しれば非常に大きな確立で資産を増やすことができます。
投資で利益を出すためには長期的に物事を考えられる視点が大事になってきます。
この記事を読んでいるあなたも、もし投資で利益を出していきたいと思っているのなら、短期的な暴落に振り回されずに長期的に利益を出していくといった考えで投資をしてみて下さい。
そうすればあなたの資産は数年後確実に増えているはずです。